スピンラザ 2回目の投与

スピンラザ
この記事は約12分で読めます。

※この投稿の内容は、私が感じたことや体験したことを元にまとめています。
※記憶をたどりながらまとめましたので、会話の部分などに違いがあるかもしれません。
※医療に関することなども、実際とは違うかもしれません。

※スピンラザ投与のところは、なるべく詳しく書いたため、長文になっています。
※痛みの感じ方は人それぞれ違いますので、それらをふまえた上でご覧いただけたら幸いです。

スピンラザによる治療に至るまでの経緯は、以下の投稿をご参考ください。
「スピンラザ」による治療を受けることになりました
スピンラザ投与に至るまで(1)
スピンラザ投与に至るまで(2)
スピンラザ 初回投与を受けました

先日、スピンラザの2回目の投与のため入院してきました。
今回も4泊5日の入院でした。

入院 1日目

初回投与を終え早1ヶ月。
あっという間に入院の日がやってきました。

前回の入院を経て、病棟の様子や雰囲気、投与の痛みなど、ある程度把握できていたので、今回は入院前の緊張感がほとんどありませんでした。
ただ、小心者故に、「前回はたまたま痛くなかっただけで、本当は痛いのかもしれない…」と、ホンの少しだけ不安がよぎったのも正直なところです。

病院に着き入院手続きを済ませると、前回と同じく、まずは外来で以下の検査を受けました。

  • 心電図
  • 採血
  • 肺機能
  • 胸部レントゲン

検査を終えると病棟へ移動しました。

前回と同じ病棟だったので良かったのですが、個室が満床で空きがありませんでした。
幸いにも、大部屋が一部屋丸ごと空いていて、急患さんが入ってこられたら同室になるとの断りがあった上で、本来は4人部屋でも使用できる広いスペースで、大きな窓からは街並みが一望できる部屋を独占することができました。
(前回の入院でヘルパーさんの支援が必要だと理解してくださっていた病棟のご配慮だと思います)

病室からの眺め

この日は、体重測定(0.5kg増えてました)、薬剤師さんによる投薬のチェックや、臨床工学技士さんによる呼吸器の設定値の確認などがありましたが、検査やリハビリもなく、ゆっくり過ごしました。

夕食後に、主治医の先生が来てくださり、スピンラザの投与を明日14時から手術室で行うと説明がありました。(前回の放射線科の部屋は、検査で空いていなかったようです)

そして、肺機能検査の結果、前回投与前の数値よりも3%上昇していたとのことでした。

入院 2日目

スピンラザ、2回目の投与の日。
午前中はリハビリが組まれていました。

作業療法士さん
前回の投与後に感じた変化のモニタリングや、車椅子の操作や手の動きなどを動画で撮影してくだいました。

言語聴覚士さん
口の開きや、「パパパ」「タタタ」「カカカ」「パタカパタカパタカ」の言葉を発声して、舌の動きの確認などをされました。

理学療法士さん
体育館のように広くて天井が高いリハビリ室へ移動し、運動動作のチェックや全身の柔軟ストレッチを行ってくださいました。

リハビリを終えて部屋に戻り、昼食を取りました。
前回は、スピンラザの投与の時間が急遽早まり、昼食を取ることができなかったのですが、今回は時間が早まることはなく、ゆっくり食べることができました。

昼食後、ベッド上で横になりくつろいでいたのですが、看護師さんが病室に来られ

副師長さん
副師長さん

女性の患者さんが入院されることになり、この部屋に入られるので、申し訳ありませんが部屋を移っていただけませんか?

Mizutani
Mizutani

分かりました。個室が空いたのですか?

副師長さん
副師長さん

いえ、空いてないのですが、本来は手術後に一時的に入られる部屋を空けましたので、そちらに移っていただきたいんです。

と、スピンラザ投与の前に、急遽病室を移ることになりました。
荷物などの移動が終わり、一段落したところで、その日の担当看護師さんが病室に来られ

看護師さん
看護師さん

今、手術室から連絡があり、スピンラザの投与が14時10分からになりました。

Mizutani
Mizutani

手術室まではどのようにして行けば良いですか?

看護師さん
看護師さん

ストレッチャーに寝てもらって行きましょうか。
手術室へ行く前に、スピンラザをもらいに行かないといけないので、13時50分には病室を出ましょう。

Mizutani
Mizutani

分かりました。よろしくお願いします。

そして手術室へ行く時間がやってきました。
ベッドにストレッチャーを横付けし、スライディングボードを渡して移乗してもらいました。
(体重が増えたというのに、滑るように軽々と移れて、不思議な感じでした)

看護師さんとヘルパーさんがストレッチャーを押してくださり、まずはスピンラザを受け取りに調剤室へ向かいました。
看護師さんが調剤室の中に入られて、少し待っていると、スピンラザが入った保冷バッグを台車に乗せて戻ってこられ、今度は手術室へ向かいました。
手術室に着くと入口の前でしばらく待機。ヘルパーさんは部屋へ戻られました。

そして、手術室の自動ドアが開き、手術室の看護師さんが出迎えてくださいました。
手術室の入口の中に入り、担当看護師さんから手術室の看護師さんに申し送りが始まります。

看護師さん
看護師さん

Mizutaniさんです。
スピンラザを髄注にて5ml投与です。
こちらがスピンラザになります。それとリドカインです。
よろしくお願いします。

手術室の<br>看護師さん
手術室の
看護師さん

分かりました。よろしくお願いします。
この中にスピンラザが入っているんですね。

緊張していたのかハッキリと覚えていないのですが、たぶん、こんな会話がなされていたと思います。
そして、スピンラザと麻酔薬のリドカインを手術室の看護師さんに渡されていました。

手術室の<br>看護師さん
手術室の
看護師さん

こんにちは。よろしくお願いしますねー。
確認のためお名前と生年月日を教えてください。

Mizutani
Mizutani

Mizutaniです。
昭和○○年○○月○○日生まれです。
よろしくお願いします。

手術室の<br>看護師さん
手術室の
看護師さん

はい、ありがとうございます。
では移動しますねー。

手術室の中は、とても明るくて、天井にはドラマでよく見かける照明(無影灯)がありました。
今回も髄腔内へ針を刺してくださる麻酔科の先生が、すでに待っておられました。
手術台ってこんなに狭いんだ…と思いながら、麻酔科の先生と看護師さんで、ストレッチャーから手術台に移乗してくださいました。

前回と同じく、体を右側臥位に向けてもらい、胸には心拍、腕には血圧、指先にはSpO2のモニターが着けられて、手術室内には僕の心拍音が響き渡ります。
もう、まさしく、テレビドラマで観る手術シーンの感じそのまんまです。

今回も前回と同じように、針を刺す背骨の部分が映るようにX線透視装置の位置調整からスタートです。。
前回は機械操作での調整でしたが、今回はポータブル装置のようで、麻酔科の先生の指示のもと、看護師さんが手動で位置や角度を調整されていました。

しかし、ここでトラブル発生です!
左右反転にした映像がうまく表示されない様子。
装置を再起動したり何度も試まれましたが、結局うまく表示されませんでした。

麻酔科の先生
麻酔科の先生

ごめんなさいね。何度も針を刺すのは嫌なので、装置を交換しますね。

Mizutani
Mizutani

分かりました。
僕もその方が(何度も刺されるのは嫌なので)ありがたいです。

手術室の看護師さん
手術室の看護師さん

そりゃそうですよねー。

と笑いあいながら話していると、先ほどよりも少し古そうな装置が登場。
再度位置調整が始まりました。

その間、僕のドキドキ感は徐々に高まります。
でも、この高まりは髄腔内に針を刺す緊張感ではなく、お腹が痛くなってきて、どうしようかと焦るドキドキ感だったのです。

ガス抜き(おなら)がしたい!!
でも、ここは手術室。
こんなところでガス抜きをするなんて…

先生や看護師さんはマスクしてはるから臭いは大丈夫か…。
音は、背中から離れてはる隙に出せば大丈夫かな…?

そんなことを考えている間に、位置調整が終わったようです。
しかし、手術台の高さと、装置の高さが合わないようで、麻酔科の先生が刺しやすいポジションがとれなかったようです。
結局、前回より下の位置(L4~L5)に刺すことになりました。

ここからは前回と同じ流れです。

麻酔科の先生
麻酔科の先生

Mizutaniさん、お待たせしました。これから始めますね。
まず、消毒をしますので、ヌルッとしますよ。

腰より少し上の辺りを中心に、円を描くように消毒が塗られていきます。

麻酔科の先生
麻酔科の先生

はい。では麻酔をしますね。チクッとしますよ。

針を刺す位置を指で確認されたあと、チクッとした痛みがあり、薬が押し込まれる感触がありました。
今回は、さらに奥の方に針を進める感触もありましたが、インフルエンザの予防接種と同程度の痛みで、途中からその痛みも消えました。

麻酔科の先生
麻酔科の先生

麻酔は終わりましたよー。
では、脊髄に針を刺しますね。

針が皮膚に触れる感触は何となく分かりましたが、痛みは全くありません。
でも、痛みに備えて顔をしかめていたようで、その様子を見ていた看護師さんに

手術室の<br>看護師さん
手術室の
看護師さん

痛いですか?

と聞かれてしまいました。

Mizutani
Mizutani

いえ、大丈夫ですよー。

と、余裕の返答です。
そして、前回と同じように、痛くはないけど強く押されているような嫌な違和感がやってきました。

きっと、髄腔内に針が入ったんだろうと思い

Mizutani
Mizutani

もう入ってるんですか?

手術室の<br>看護師さん
手術室の
看護師さん

針は刺さっていて、これから髄液が出るか確認ですよー。

と、ここまでは前回と同じ感じで余裕だったのですが…
僕の余裕はここまででした。

急に、左足が痺れると言うか電気が走ると言うか、足の中にどのように神経が張り巡らされているのか分かるような感じで、お尻からつま先に掛けて、何とも言えない嫌な衝撃が繰り返し走りました。

Mizutani
Mizutani

あ、足が痺れます!

麻酔科の先生
麻酔科の先生

え!痺れる?これはどう?

針先を少し動かされたのでしょうか、衝撃が治まりました。

Mizutani
Mizutani

大丈夫です。痺れないです。

と言ったとたんに、また先ほどの衝撃が再び襲ってきます。

Mizutani
Mizutani

また痺れます!

麻酔科の先生
麻酔科の先生

どっちの足が痺れますか?

Mizutani
Mizutani

左足が痺れます!

麻酔科の先生
麻酔科の先生

左足ね。これはどうですか?

Mizutani
Mizutani

あ、治まりました!

その後も2~3度、足に衝撃が走りました。
どうも、髄液の流出が確認できず、針の位置を動かされたときに神経に触れてしまったようです。
そして、極めつけは、投与の一連の流れの中では一番強い痛みがお尻に走りました。

Mizutani
Mizutani

お尻が痛いです!痛いです!

主治医の先生
主治医の先生

お尻が詰まるような痛みかな?

Mizutani
Mizutani

そうです!そんな感じです!

麻酔科の先生
麻酔科の先生

分かりました。では、位置を変えましょう。

一旦針を抜き、透視装置の位置調整をして、先ほどよりも少し上の位置(L3~L4)から、再度刺し直すことになりました。

先ほどと同じように、消毒→麻酔と行われ、今度はすんなり髄腔内に針が入ったようです。
痛みはほとんどありませんでした。

注射器で髄液を5ml抜き、次はいよいよスピンラザの投与です。

僕の後ろでは、保冷バッグに入れられたスピンラザの梱包が解かれていきます。
結束バンドで厳重に固定されているスピンラザの容器を見て、

手術室の<br>看護師さん
手術室の
看護師さん

すごい!こんな風になってるんですね!
初めて見ました!

と、驚いておられました。

主治医の先生
主治医の先生

人肌程度に温めてもらって、5mlを5分かけて入れますので、ストップウォッチで計ってもらえますかー。

と、主治医の先生が看護師さんに指示されている様子が聞こえてきます。

主治医の先生
主治医の先生

Mizutaniさん、お待たせしました。これからスピンラザを入れますね。

Mizutani
Mizutani

はい。よろしくお願いします。

前回は、背中に冷たいものが流れていく感覚がありましたが、今回はスピンラザを入れている感覚が全く分かりませんでした。
きっと、良い温度に温めてくださったから、分からなかったんでしょうね。

そして、5分が経過してスピンラザの投与が完了。
先ほど抜いた髄液を少しだけ戻し、針を抜いて終了しました。

麻酔科の先生
麻酔科の先生

お疲れ様でした。
足の痺れや痛みは残っていませんか?

Mizutani
Mizutani

今は全然大丈夫です。

麻酔科の先生
麻酔科の先生

痺れさせたりしてごめんなさいね。

Mizutani
Mizutani

いえいえ、大丈夫ですよ。
今回もありがとうございました。

麻酔科の先生が、このように謝ってくださって、とても好感が持てました。
そして、さらに信頼が高まりました。

主治医の先生も手術室の看護師さんたちも、何度も優しく声を掛けてくださり、痺れや痛みはあったものの、落ち着いて過ごすことができました。

体に着けていたモニターを外し、手術台からストレッチャーに移してもらいました。
手術室の出口まで迎えに来てくださった病棟の看護師さんに引き継がれ、病室に戻りました。

時計を見たら15時を過ぎていて、今回は1時間くらいかかりました。

その後、髄液の漏えいを防ぐためにベッドの上で2時間の安静。
頭痛や吐き気もなく、夕食時には車椅子に座ることができました。

その日は、針を刺した周辺が痛む程度で、副作用が出ることもありませんでした。

注射の痕の画像です。

入院 3日目

朝から、首から頭に掛けて重だるい感覚がありました。
主治医の先生に聞くと、副作用の頭痛は、頭が割れるように痛くて座っているのも辛いそうです。
きっと緊張して肩が凝ったのでしょうとのことで、首から頭に掛けてのだるさは副作用によるものではなく一安心。

昼食前には、久しぶりにお風呂にも入れてもらって、心身ともにスッキリしました。

この日は、投与翌日と言うことでリハビリはお休みでした。
針を刺した周辺の痛みも治まり、ゆっくり過ごしました。

夕方、個室が空いたので、部屋を移動しました。
今回の入院で2度目の引っ越しです。

入院 4日目

朝の段階で副作用はなく、リハビリ再開。

作業療法士さん
指の関節の拘縮予防のストレッチ。

言語聴覚士さん
口の開きと舌の動きの確認。
発声による舌のリハビリ。

理学療法士さん
全身の柔軟ストレッチ。

リハビリの方の評価では、2回目の投与後の変化は見られないとのことでした。

この日も副作用はなく、翌日に退院できることになりました。

入院 5日目

午前中にリハビリを受けて退院しました。

まとめ

2回目のスピンラザ投与は、針が髄腔内になかなか入らず、前回とは対照的でした。
でも、痛いバージョン(1回目)と、痛くないバージョン(2回目)を今回同時に経験できたので、今後の投与の際の心の準備の参考になります。

主治医の先生に聞くと、最初に刺した位置は、変形により髄腔内が狭くなっていたために神経に触れて痛みや痺れを感じたのではないかな、と仰っていました。

今回の結果を踏まえて、次回の投与は2回目に刺した位置からアプローチしてくださるでしょうから、痛みも大丈夫かなと思っています。

麻酔は、前回と同じように、インフルエンザの予防接種程度の痛みでした。
髄注は、神経に触れたことで、痛みやしびれを伴いましたが、痛みは我慢できない程の激痛ではありませんでした。
痺れについては、“しびれる”という表現が当てはまるのか疑問ですが、足の中を超高速で虫が駆け回っているかのような、何とも表現しがたい気持ちの悪い感触でした。

今回の入院も、主治医の先生を始め、看護師さんやリハビリスタッフの方々など親切に接してくださいました。
そして、入院中もヘルパーさんに支援に入っていただき、何のストレスもなく過ごすことができました。

感謝感謝です。

次回は2ヵ月後。
今のところ、2回目の投与による変化は感じませんが、今後どのような変化を感じることができるのか楽しみです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました